そこで防衛手段の主役に浮上したのが、駐車中も録画を続ける駐車監視システムだ。しかし、従来の前後2カメラ型ドライブレコーダーには構造的な致命傷が存在していた。ドアパンチの衝突点は車両の「真横」であり、前後のカメラの画角から完全に抜け落ちる死角だったのだ。
この限界を突破すべく、カーエレクトロニクス産業は急激な技術革新を遂げている。左右の側面を余すところなく捉える360度全方位カメラの導入が進み、水平360度・垂直240度クラスの広角レンズが標準化されつつある。さらに、ミリ波レーダーや動体検知AIを連動させ、車両に接近する人物や隣車のドアの軌道を事前感知してトリガー録画を開始するアルゴリズムも実用段階に入った。
従来の「衝撃検知(Gセンサー)」だけに頼ると、ドアパンチのような微小な揺れを拾えず録画に失敗するか、逆に強風や大型車の通過で誤作動を連発してバッテリーを消耗させるジレンマがあった。最新の検知デバイスは微小振動の波形解析によってドアの打撃音と金属接触を高精度で識別し、死角のない鮮明な記録を残すシステムへと進化を遂げている。