菊屋横丁の白壁越しに見える高杉晋作の生家、そしてそこから歩いて数分の場所に位置する木戸孝允(桂小五郎)の旧宅。萩の町を歩けば、維新の主役たちが隣人同士であったという事実に直面する。幼馴染であり、同志であり、時には激しく意見を戦わせたふたり。彼らが走り抜けた路地は、驚くほど狭く、親密だ。
晋作の破天荒な行動力と、木戸の緻密な政治的洞察力。この対照的な個性が、同じ町の同じ風土から生まれた必然に思いを馳せる。道端に咲く花に目を落とし、武家屋敷の門をくぐるたびに、彼らが抱いた焦燥や理想が手に取るように伝わってくる。足元に響く砂利の音すら、歴史の断片と共鳴している。