同じ「スレッド」という言葉でありながら、使われる領域によって指し示す実態は180度異なる。まずはこの二大領域における根本的な違いを整理しておきたい。
ソーシャルメディア業界において、スレッドとは「話題ごとの投稿の連なり」を指す。最初の投稿(親ポスト)に対して連鎖的にぶら下がる返信群が、まるで一本の糸で縫い合わされているかのように見えることから名付けられた。誰が誰に応答しているのかを一目で可視化し、タイムラインが雑多な会話で埋め尽くされるのを防ぐ整理機構だ。
一方、ハードウェアやプログラミングなどの情報技術分野では、CPU(中央演算処理装置)が並行して実行する「最小の処理単位」を意味する。一本の論理的な作業ラインを指し、これが多ければ多いほど、パソコンやスマートフォンは複数の重いタスクを同時に淀みなく処理できる。つまり、SNSのスレッドが「コミュニケーションの論理的グループ」であるのに対し、IT用語のスレッドは「計算リソースの物理的・論理的パイプライン」なのだ。