手足口病と突発性発疹は、家族内での感染リスクや重複感染の可能性についても正しい理解が求められます。
手足口病は子どもだけの病気ではありません。飛沫感染だけでなく、おむつ交換を介した糞口感染によって大人が感染すると子ども以上に重症化するリスクがあります。大人が罹患した場合、40度近い高熱や、足の裏に激痛の水疱ができて歩行困難に陥るケース、さらには回復期に手足の皮膚がめくれたり爪が剥がれ落ちたりする事例が報告されています。
手足口病の原因ウイルス(エンテロウイルス属)はアルコール消毒液が効きにくい「ノンエンベロープウイルス」です。家庭内での予防には、流水と石鹸による30秒以上の手洗いを徹底し、汚れたおむつを捨てる際は手袋を着用して密閉処理することが極めて重要です。
一方、突発性発疹の原因であるHHV-6/7は、ほぼすべての成人が抗体を保有しているため、大人が再発症することは通常ありません。しかし、きょうだい間で短期間に感染が連鎖することは多々あります。
なお、保護者から小児科へ寄せられる相談の中に「手足口病と突発性発疹に同時にかかることはあるのか」という疑問があります。医学的には、手足口病(エンテロウイルス等)と突発性発疹(HHV-6/7)は全く異なるウイルスであるため、稀に体内で重複感染して同時に発症するケースや、突発性発疹で免疫力が落ちた直後に手足口病を連続して発症するケースは実在します。発熱パターンが典型例と合致しない場合や経過が長引く際は、自己判断せずかかりつけの小児科医による診察を受けてください。