音羽屋本流の正統後継者として、次世代の歌舞伎界を背負って立つ存在が六代目尾上菊之助(2013年生まれ)です。2026年の大名跡同時襲名において、父が八代目菊五郎を襲名したことに伴い、自身も七代目尾上丑之助から「六代目尾上菊之助」という大名跡を若干10代前半で継承しました。
彼の血統の特筆すべき点は、音羽屋の血筋のみならず、名門「播磨屋」の血を濃厚に引いている点にあります。母の瓔子さんは、現代歌舞伎界の至宝であった二代目中村吉右衛門の四女。つまり、六代目菊之助は「音羽屋・七代目菊五郎」と「播磨屋・二代目吉右衛門」という、昭和から平成の歌舞伎界を牽引した二大巨頭の双方を祖父に持つ、比類なき存在なのです。
2019年、6歳のときに七代目尾上丑之助として初舞台を踏み、難役である『絵本牛若丸』の牛若丸を見事に勤め上げて観客を唸らせました。現在も父・八代目菊五郎の薫陶を受けながら、音羽屋のお家芸である世話物や立ち回りはもちろん、播磨屋ゆかりの重厚な時代物への挑戦も期待されています。いとこにあたる尾上眞秀とともに切磋琢磨する姿は、2026年代後半の歌舞伎界における最大の呼び物となっています。