台風の進路を予測するうえで、気象庁の台風進路情報とあわせて世界の主要気象機関のモデルを比較することは、最悪のシナリオを想定するうえで極めて有効です。特に米軍合同台風警報センター(JTWC)の台風9号米軍進路予想と、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路計算は、進路のブレ幅(アンサンブル予報)を見極める指標として広く参照されています。
現行の各モデルを照らし合わせると、太平洋高気圧の勢力範囲の評価によってわずかな違いが見られます。米軍モデルはやや東寄りのコースを取りながら太平洋側をかすめて北上するルートを示す一方、ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル平均はやや西寄りに引き込まれ、紀伊半島から東海・関東エリアへダイレクトに接近するシナリオを描いています。
気象庁の発表でも予報円が大きく描かれており、太平洋高気圧の縁を回る風の強弱によって、東日本直撃から西日本への接近まで依然として幅が存在します。ただし、いずれのシミュレーションも「日本列島に極めて近い距離を通過する」という点では一致しており、コースの多少の東西のズレにかかわらず広範囲で荒天が避けられない情勢です。