多くの小中学生が陥りがちな罠が、「腕の力だけでボールを遠くへ押し出そうとする」行為だ。ハンドボール投げのボールはソフトボールより一回り大きく、適度な重みがあるため、腕力だけに頼ると肘や肩に無理な負担がかかり、かえって投球スピードが死んでしまう。
トップアスリートの動きを分析すると、飛距離を生み出す真の原動力を理解できる。鍵を握るのは「下半身からの連動」と「ムチのような腕のしなり」だ。ステップを踏み出す際、踏み込み足の膝をしっかり固定し、骨盤から胸骨へ、最後に肩から手首へと運動連鎖を伝えていく。この一連の流れがスムーズに噛み合った瞬間、ボールは手離れ良く空へと放たれる。
また、リリース時の角度も結果を大きく左右する。地上に対しておよそ45度の角度でボールを離すのが最も放物線を描きやすい。目線を少し高めの校舎の屋根付近に設定し、胸をしっかりと張った状態で指先からボールを滑り出させる感覚だ。理想的な投球フォームを身につけるだけで、筋力を変えずとも記録が5メートル以上跳ね上がる事例は珍しくない。