アメリカのアニメーション作品において、なぜこれほどまでに犬が愛され続けるのだろうか。理由は単純な見た目の可愛さだけではない。そこには、観客との情緒的な結びつきを深める洗練された演出技法と物語の仕掛けが存在する。
第一に、犬は人間の喜怒哀楽を投影する完璧な鏡となる。言葉を話すキャラクターであれ、鳴き声と身振り手振りのみで表現するキャラクターであれ、彼らは主人公の孤独や葛藤に誰よりも寄り添う。第二に、ドタバタ劇における無類の動きやすさだ。しっぽの振り方一つ、耳の垂れ具合一つで感情をダイナミックに表現できるボディランゲージの豊かさは、視覚的快楽を追及するアニメーションという媒体と極めて相性が良い。