「幸福が訪れる」という清廉な象徴として広く愛されるスズラン。5月1日の「スズランの日」に贈られた人は幸運に恵まれるとされるフランスの風習は有名だ。しかし、この可憐な白い鈴のような花には、強力な毒性(有毒物質コンバラトキシンなど)が含まれている。ヨーロッパの古典伝承では「死への招き」や「聖母マリアの涙」とも評され、美しい容姿の裏に強烈な毒と哀しみのアナグラムを秘めた二面性が存在する。
一方、誰もが知る幸運の代名詞四つ葉のクローバーにも、興味深い二条の影がある。4枚の葉はそれぞれ「希望」「信仰」「愛情」「幸福」を意味すると一般に言われるが、歴史的文脈においては「復讐」や「誘惑」の象徴として扱われる地域も存在した。極めて稀にしか発生しない突然変異体だからこそ、人々の欲望を引き寄せ、時に運命を狂わせる狂気をも秘めているのだ。花々に秘められた「裏の顔」を知ることで、私たちが手にする花言葉の奥行きは一気に深まりを見せる。