マティーニの歴史と由来には諸説あり、現在でもバー文化におけるロマンあふれる議論の的となっています。
有力な説の1つは、19世紀中頃のカリフォルニア・ゴールドラッシュ時代に誕生した「マルチネス(Martinez)」というカクテルが原型という説です。甘口のオールドトムジンとスイートベルモットで作られていたものが、時代を経てより辛口のロンドンドライジンとドライベルモットへと変化していったと考えられています。もう1つは、イタリアの有名酒類メーカーである「マルティーニ・エ・ロッシ社」のベルモットを使っていたことからその名がついたという説です。
マティーニの伝説を語る上で欠かせないのが、映画『007』シリーズの主人公ジェームズ・ボンドです。劇中でボンドが放つ定番の決め台詞「ウォッカ・マティーニを。ステアではなくシェイクで(Shaken, not stirred)」は世界的なブームを巻き起こしました。
さらに原作小説『カジノ・ロワイヤル』でボンド自身が考案した「ヴェスパー・マティーニ(ゴードン・ジン3、ウォッカ1、キナ・リレ1/2をシェイクし、薄いレモンピールを添える)」は、今や世界中のバーで愛される伝説のバリエーションレシピとなっています。