製造中止から数十年が経過した現在、昭和の型板ガラスは単なる「古い建材」から「二度と作れない貴重なヴィンテージ素材」へと評価が一変しています。特に古民家リノベーションや町家を改装したカフェ、商業施設の内装デザインにおいて、当時のガラス建具は欠かせないアイコンとなっています。
現行の工業製品にはない、わずかな厚みのムラやガラス内部の微細な気泡が生み出す柔らかな透過光は、現代のデザイナーや建築家を魅了してやみません。解体される古い日本家屋から丁寧に救出された建具やガラス板は、古材専門ショップやアンティーク建具店で高値で売買されており、状態の良い大判ガラスや「夜空」「銀河」などの人気柄は、入荷直後に即完売することも珍しくありません。
さらに、建具としてそのまま使うだけでなく、割れのない部分を切り出してペンダントライトのシェード、パーテーション、コースター、小物トレイへとアップサイクルするハンドメイド作家やガラス工房も増えており、その美しさは新たな形で受け継がれています。