狭小空間がもたらす極限の心理状態を見事に描き切った傑作として知られるのが、映画『リミット』(Buried)だ。地下深く埋められた木箱の中だけで全編が展開する異色のサイコロジカルスリラーである。主演を務めたライアン・レイノルズは、撮影中に本物の恐怖と闘う羽目になったと当時語っている。
狭く密閉されたセットでの連日の撮影により、レイノルズ自身も軽度のパニック状態や過呼吸に見舞われたという。彼が劇中で見せた狂気と焦燥の演技は、フィクションを超えた本物の生理反応だったわけだ。現在Netflixなどの動画配信サービスでも視聴できるこの作品は、閉所恐怖症の心理をリアルに疑似体験できる究極の映画として今なお語り継がれている。