強い腹痛や下痢があっても「熱がないから」「外傷がないから」という理由で、仕事を休むことに強い罪悪感を覚える方が大半を占めます。しかし、ストレス性胃腸炎で仕事を休む行為は決して甘えではありません。胃や腸は「第二の脳」と呼ばれるほど自律神経と密接に結びついており、過度な精神的プレッシャーや過労がかかると、脳からの指令が自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを急激に崩します。
自律神経が乱れると、胃酸が過剰に分泌されて胃の粘膜を攻撃し、腸のぜん動運動が過敏になって激しい痛みや下痢、嘔気(吐き気)を引き起こします。これが自律神経失調症に伴う胃痛や下痢の正体です。決して本人の気合いや根性の問題ではなく、臓器が正常に機能しなくなっている物理的な異常状態といえます。
無理をして出社を続けると、痛みが新たなストレス源となり、さらに胃腸症状が悪化するという負のスパイラルに陥ります。最悪の場合、胃潰瘍や十二指腸潰瘍への悪化、あるいは適応障害やうつ病といった精神疾患の併発につながる危険性があります。体が発している「これ以上は限界だ」というSOSサインを無視せず、速やかにブレーキを踏む勇気が求められます。