米津玄師という類まれなアーティストの存在は、近年のJ-POPシーンとドラマ制作の相乗効果を新たな高みへと引き上げた。彼の生み出すメロディと歌詞は、物語の核心を容赦なく突く鋭さと、傷ついた心をやさしく包み込む包容力を同居させている。映像の色彩やカット割りのテンポ感までを意識したような劇的な曲展開は、クリエイターとアーティストが高次元で共鳴し合った証左にほかならない。
また、シンガーソングライターでありながら俳優としても卓越した表現力を持つ星野源の功績も計り知れない。彼の創り出すサウンドは、日常の繊細な機微や人間関係の機微を軽やかなソウルミュージックやポップスの文脈へと昇華させる。表現者自身が作品の世界観を多角的に解釈し、音へと還元するスタイルは、現代の劇中歌における一つの完成形を示したと言えるだろう。