宮崎駿監督の作品には、メカニックに対する並々ならぬ愛着と同時に、肥大化した機械文明や軍国主義に対する鋭い批判精神が常に流れている。『天空の城ラピュタ』におけるゴリアテの崩壊も例外ではない。
監督は、巨大で重厚な兵器を格好良く描き出しながらも、それが内包する「脆さ」を一瞬の描写で暴いてみせる。武力で世界を支配しようとする国家や軍部、そしてムスカのような権力者の野望が、いかに脆く儚い基盤の上に成り立っているか。ドーラという地に足のついたたくましい生活者の口から「脆い船」と吐き捨てさせることで、権力や兵器の虚飾を皮肉たっぷりに暴く演出効果を生み出しているのだ。