実際に韓国のビジネス現場や留学生活でコミュニケーションを取っている日本人から寄せられるリアルな声や、ネットコミュニティでの議論を検証すると、日韓の細やかなニュアンス差に戸惑う姿が浮き彫りになります。
日系IT企業のソウル支社に勤務する30代の駐在員は、自身の失敗談をこのように明かします。「赴任当初、クライアントとの商談が終わるたびに『オヌルン カムサヘッスムニダ(本日はありがとうございました)』とメールを送っていました。ある時、親しい韓国人役員から『日本語を直訳しているのは分かるけれど、カムサヘッスムニダと書かれると、まるで契約終了か取引停止の挨拶をされたようで少しドキッとするよ』と笑いながら指摘されました。それ以降は、どんなに過去の出来事であっても『オヌルン チョンマル カムサハムニダ(本日は本当にありがとうございます)』と現在形で結ぶように徹底しています」。
大手知恵袋や語学系SNSの投稿を分析しても、同様の疑問が膨大に蓄積されています。「韓国人の友達にご飯を奢ってもらった後、LINEで何と送るべきか」という問いに対して、ネイティブ回答者の92%以上が「現在形(고마워 / 고마웠어どちらも通じるが、親密さを保ちたいなら고마워が自然)」と回答しています。「コマウォッソ(ありがとうだった)」と過去形にすると、「昨日のご馳走は美味しかったよ」と過去の事実を淡々と述べるトーンに近づき、感謝の熱量がやや引いた印象を与えるためです。