水辺でも陸上でも生きられる両生類。その代名詞でもあるニホンアマガエルを観察していると、彼らがめったに激しく息をしていないことに気づく。カエルの肺はきわめて簡素な構造しか持っておらず、必要な酸素の大部分を「皮膚呼吸」によって補っているからだ。
国立科学博物館の展示や研究でも詳しく解説されている通り、彼らの皮膚は常に粘液で覆われ、毛細血管が表面近くまで網の目のように張り巡らされている。湿った粘液に酸素を溶かし込み、直接血液へと取り込む仕組みだ。つまり、皮膚が乾くことは彼らにとって死を意味する。雨の日に一斉に活動を開始するのは、単に水が好きだからではなく、呼吸器官である皮膚のコンディションを完璧に保つための必死の防衛本能なのである。