下北沢は決して単なる一時のトレンドスポットではない。歴史を紐解けば、昭和の文豪・太宰治をはじめとする多くの文化人や作家が好んで滞在し、独自のコミュニティを育んできた奥深い歴史を持っている。
かつて文士たちが議論を交わした静かな住宅地から、時代の変化とともに古着店や小劇場、ライブハウスが集積する街へと変貌を遂げた。独自のカルチャーを守りつつも、時代ごとの若者文化を貪欲に吸収してきた背景がある。
今日においても、そのスピリットは失われていない。洗練された高層ビルが立ち並ぶ渋谷とは対照的に、下北沢にはどこかノスタルジックで個性的、かつ解放的なサブカルチャーの熱気が路地裏の隅々にまで満ちあふれている。