補修に着手する前に、そもそもなぜメッキが剥がれてしまうのか、そのメカニズムを把握しておく必要があります。メッキ剥がれの原因と対策を正しく理解していなければ、どんなに綺麗に塗料を乗せても短期間で再び剥離してしまいます。
主な原因は以下の3点に集約されます。
- 下地素材の熱膨張と収縮:特にプラスチック製の下地は、温度変化によって伸縮します。金属層との膨張率の差から層間に歪みが生じ、メッキ浮きが発生します。
- 腐食と水分・皮脂の侵入:微小なピンホールから水分や塩分、手の皮脂が侵入し、下地金属や接着層を酸化させて浮き上がらせます。
- 紫外線および経年劣化:屋外に置かれる車や自転車のパーツは、紫外線の影響で樹脂とメッキ層の密着力が徐々に低下します。
ここでの最大の盲点は、「浮いているメッキの上からそのまま塗料を塗っても絶対に定着しない」ということです。浮き上がったメッキの縁はカッターナイフやサンドペーパーで完全に削り落とし、下地との段差をゼロにしてから脱脂作業を行うことが、長持ちさせるための絶対条件となります。