日本の花き栽培業が大きな転換期を迎える中、圧倒的な技術力で園芸産業を牽引し続けている生産者がいる。その中心人物が、日本バラ会でも重鎮として知られるブリーダーの井上成二氏だ。かつて主流だった量産型の切花生産から脱却し、「一輪の生命力を極限まで高める」という独自の哲学を貫いてきた。
かつて市場を席巻したクラシックなイングリッシュローズの優美さに、日本の厳しい気候風土へ耐えうる強靭さを融合させる。その試行錯誤の歴史こそが、現在の井上バラ園の礎となっている。単なる鑑賞用の植物としてではなく、空間全体の雰囲気を一変させてしまうほどの存在感。それが、彼らの育てる花の真骨頂だ。