無理なケアが危険である一方、長年にわたる完全な放置もまた別のリスクを孕んでいる。皮脂や角質が長期間にわたって酸化・石灰化を繰り返すと、黒く硬い岩石のような塊へと硬化する。これが医学的に「臍石(へそいし)」と呼ばれる病態である。巨大化した臍石は皮膚組織を圧迫して潰瘍を形成し、頑固な悪臭と痛みの温床となるため、自力での除去が困難になり外科的処置が必要となる。
さらに深刻なのは、感染が深部に波及して発症する「臍炎」だ。日本皮膚科学会の専門医らも、へその発赤や排膿を軽視しないよう警鐘を鳴らし続けている。炎症が進行して皮下組織を破り、腹壁の深層へと達すると、最悪の場合には命に関わる「腹膜炎」を併発する恐れがある。単なる汚れと侮って放置した結果、救急搬送されるケースも決してゼロではない。