あの秋、テレビ画面とポスターの前に立ち尽くした人は少なくない。モデル小林麻美に続く資生堂の顔として起用された真行寺君枝は、画面越しにじっとこちらを見つめていた。流れる楽曲は小椋佳が歌う「ゆれるまなざし」。化粧品CMの枠を超え、ひとつの芸術的映像作品として茶の間に届いた瞬間だった。
少女特有のあどけなさと、どこか大人の陰影を感じさせる神秘的な表情。当時のストリートファッションやモダンなヘアスタイルも相まって、彼女は一気に時代のアイコンへと駆け上がった。広告ビジュアルとしてのインパクトは今なお色褪せず、70年代ポップカルチャーの象徴として語り継がれている。