一方で、もう一人の日本人候補者は、対極とも言えるピッチングスタイルで全米を魅了している。ミリ単位でボールをコントロールするその投球術は、まるで精密な外科手術を見ているかのようだ。四球で自滅することが極めて少なく、常に有利なカウントで勝負を進めるため、球数が少なくイニングを深く消化できる。この「イニングイーター」としての価値が、過酷なシーズンを戦うチームにとってどれほど救いになっているかは計り知れない。
派手な奪三振ショーも魅力的だが、大崩れしない安定感こそが長いペナントレースにおいて最も信頼される要素だ。捕手のミットがピチリと鳴るたびに、相手ベンチの溜め息が深くなっていく。