管工事業や水道設備工事業の第一線を担う給水装置工事主任技術者や歴戦の配管工たちは、ねじを切った後の「一手間」に独自の流儀を持つ。その最たるものが、ねじ切り直後のバリ処理とシールテープの巻き方だ。切削直後のねじ山には微細なバリが残存しており、これを除去せずに継手をねじ込むと、シール材を切り裂いて微細な漏水経路を作ってしまう。細番手の耐水ペーパーや専用ブラシで山肌を均す作業は絶対に省略しない。
さらに、シールテープの巻き数と締め込みトルクの管理にも職人の知恵が光る。樹脂相手の場合、金属と同じ感覚でシールテープを多重に巻きすぎると、ねじ込み時の内圧が高まりすぎて継手を内側から破壊する。先端の1山半を残して時計回りに適正回数を均一に巻き、樹脂専用の配管シール剤(液状ヘルメチックなど)を薄く併用するのが漏水ゼロを維持するプロの裏技だ。道具の力に甘えず、材料の限界を見極める繊細な手の感覚が漏水事故を未然に封じ込める。