日本国内に数ある美術館・博物館の中でも、これほど建築と展示品が完璧な調和を見せる場所は稀だ。マナーハウスの壁面に使用されているのは、英国コッツウォルズ地方から運ばれた本物のマノーストーン(石灰岩)。しっとりとした質感が、重厚な宗教美術の背景としてこれ以上ない格調を添えている。
目を見張る光の芸術だけでなく、五感全体を癒やす工夫が凝らされているのも特徴的だ。館内廊下にはオリジナルのアロマオイルがほのかに香り、アンティーク家具の木香と溶け合っている。目、耳、そして香り——全身でヨーロッパ中世の静謐な世界観に没入できる仕掛けが施されているのだ。