2010年代初頭、邦楽ロックの風景を塗り替えた立役者の一人が古賀隼斗であることに異論の余地はない。KANA-BOONのリードギタリストとしてメジャーシーンに躍り出た彼のプレイスタイルは、キャッチーでありながら極めて攻撃的。ソニー・ミュージックレーベルズ傘下の名門レーベル、キューンミュージックから放たれる楽曲群の中で、フロントマンの谷口鮪が紡ぐ哀愁と疾走感あふれるメロディに対し、古賀のギターは常に鮮烈なカウンターを打ち込み続けた。
単なる伴奏にとどまらない。イントロ数秒でリスナーの耳を掴んで離さないリフの構築力、オルタナティヴ・ロック直系のザラついた歪みと緻密なカッティングの融合は、当時の若手バンドマンたちに計り知れない影響を与えた。ギターキッズたちはこぞって彼の運指をコピーし、フェスの巨大ステージではその一音が数万人を狂乱へと導いた。