物語のクライマックス、裏切りと野望が渦巻く結末の中で提示される出来事は、極めて衝撃的でありながら静かな虚しさに満ちている。組織のために手を汚したマクトを待ち受けている運命は、あまりにも残酷で報われない。
しかし、映画が真に観客の胸をえぐるのは、彼が消し去られた後の世界を描くラストの数分間だ。何事もなかったかのように開発が進む新都市の風景、そして平然と営まれる家族の日常。一人の青年の犠牲など飲み込んで流れていく社会の冷酷さが、静かな映像美とともに焼き付けられる。このラストシーンが残す苦い余韻こそ、本作が時代を超えて語り継がれる最大の理由である。