近年、元組員が自らの経験を赤裸々に告白する自伝・回顧録の出版が相次ぎ、ノンフィクション出版界において一大潮流を形成している。西村まこの証言もまた、裏社会ジャーナリズムにおける極めて貴重な一次資料として再評価が進む。
かつてのアウトロー本が暴力や非日常の刺激を売りにしていたのに対し、現在の潮流は社会構造の歪みや貧困、ジェンダー問題と深く結びついている。なぜ少女は裏社会に引き寄せられたのか、なぜ男社会の掟に同化せざるを得なかったのか。彼女のテキストは、単なる懺悔録を超えて、社会のセーフティネットからこぼれ落ちた者たちの実情を浮き彫りにするジャーナリスティックな批評性を獲得している。