未曽有の惨禍を記録した東日本大震災アーカイブプロジェクトには、被災者の生々しい証言や浸水写真、自治体の初動対応記録がデジタルデータとして蓄積されている。ここから得られる最大の教訓は「過去の経験則にとらわれた油断が犠牲を生んだ」という事実だ。
「ここまで水が来たことはない」「昔の津波でも大丈夫だった」という思い込みが避難を遅らせた。アーカイブに刻まれた教訓を風化させず、学校教育や地域コミュニティの防災計画へ落とし込むことで、次の世代へ命を守る知恵を確実に継承していく取り組みが各地で続けられている。