制度改革の道のりは決して平坦ではなかった。刑事弁護の立場を重視する日本弁護士連合会(日弁連)や一部の刑事法学者からは、「被害者の感情が法廷に持ち込まれれば、冷静な事実認定や適正手続きが損なわれる」といった慎重論や強い反発が噴出した。
差し戻し審における大弁護団の異例の弁護方針や法廷闘争は世論の大きな注目を集めたが、本村氏は感情論に終始することなく、論理的かつ毅然とした態度で被害者の権利の正当性を説き続けた。この対立を通じて、司法・法曹界全体が「刑事司法は何のために、誰のためにあるのか」という根源的な問いを突きつけられ、被害者視点を取り入れた新たな司法のあり方を模索せざるを得なくなったのである。