1989年6月23日。連日世間を賑わせていた横綱・千代の富士の周辺で、あまりにも痛ましい報せが駆け巡った。生後わずか4ヶ月の次女・愛ちゃんが自宅で息をしていないのが発見されたのだ。
救命措置も虚しく、小さな命は帰らぬ人となった。前日まで元気に笑顔を見せていた愛娘の突然の訃報。場所中や巡業の合間を縫って愛娘をあやしていた千代の富士と妻・雅子さんの悲しみは、推し量るべくもないものだった。昭和から平成へと元号が変わった節目の年、大相撲界を揺るがしたこの事件は、日本中に大きな衝撃と深い悲しみをもたらした。