かつてあれほど日本中を跋扈した暴走族が壊滅的な激減を辿った背景には、警察による徹底した法改正と取り締まりの強化、そして社会構造の変化という複数の要因が存在します。
最大の転換点となったのは、2004年(平成16年)の道路交通法改正です。この改正により、暴走族を取り締まるための強力な武器として「共同危険行為等の禁止」が大幅に強化されました。
法改正以前は、他人に具体的な危険を及ぼした証拠を個別に立証する必要があり、集団で走行しているだけでは即座の現行犯逮捕が困難でした。しかし、法改正後は「他人に迷惑を及ぼすような集団走行そのもの」を共同危険行為として検挙可能になり、現場での現行犯逮捕や、後日の防犯カメラ・ヘリコプター映像を用いた徹底的な後日検挙が劇的に容易になりました。
さらに、共同危険行為の法定刑引き上げ(2年以下の懲役または50万円以下の罰金)に加え、一発で運転免許取り消し(欠格期間2年以上)という極めて重い行政処分が科されるようになりました。若者にとって「免許を失い、二度とバイクに乗れなくなる」というリスクは決定的な抑止力となったのです。
加えて、以下の構造的変化が暴走族の衰退に拍車をかけました。
街頭での暴走行為は「警察に即刻検挙され、多額の罰金と前科、免許取り消しを背負う割に合わない行為」へと完全に転落し、ピラミッド型の伝統的な暴走族組織は急速に崩壊していきました。