劇中に登場する名車たちの存在も、この作品を語る上で絶対に外せない要素だ。バンデン・プラ・プリンセスやローバー、フォード・マスタング、ジャガーなど、当時の国産車中心だったドラマ界では異例とも言える輸入クラシックカーや名車が捜査車両として登場した。
CG技術が存在しなかった時代だからこそ、カースタントや銃撃戦の迫力は本物そのものだった。テレビ番組制作業界における職人たちが総力を結集し、公道でのアクロバティックなカーチェイスや、火薬を惜しみなく使った爆破シーンを生み出していった。カメラアングルの工夫やカット割りの妙によって生み出される臨場感は、現在見返しても息を呑むほどの完成度を誇る。
危険と隣り合わせの現場で培われた職人技と情熱。制約の多い現代の撮影現場では再現が難しい生々しいスペクタクルが、フィルムの向こう側から強烈な熱量となって伝わってくる。