「他人事」の読み方はどっち?文化庁調査と放送基準が明かす真相

「他人事」の読み方はどっち?文化庁調査と放送基準が明かす真相

「他人事」の読み方はどっち?文化庁調査と放送基準が明かす真相の重要なポイントについて、専門知識を取りまとめてご紹介します。

言葉の移ろいを記録する国語辞典各社は、この「他人事」をどのように捉えているのだろうか。そこには各辞書の編集方針や思想が鮮明に表れている。

岩波書店の『広辞苑』は、長らく見出し語を「ひとごと」とし、その語釈の中で「他人事」の表記を掲げてきた。「たにんごと」を引くと「ひとごとの誤読から生じた語」あるいは「ひとごとを見よ」と誘導する形をとり、規範的な立場を崩していない。伝統と権威を重んじる大型辞書としての矜持がそこにある。

対照的なのが、三省堂が発行する『新明解国語辞典』や『三省堂国語辞典』のスタンスだ。三省堂の辞書は、街頭の看板から小説、テレビの会話まで現代語の生きた用例を徹底的に採集することで知られる。ベストセラー小説『舟を編む』で描かれたような地道な用例採集(見坊カード)の精神に基づき、「たにんごと」を単なる誤りとして排除するのではなく、現代語として広く使われている事実を客観的に明記している。言葉は固定された化石ではなく、人々の口元で形を変え続ける生き物であるという思想が、辞書の記述からもひしひしと伝わってくる。

森 瞳
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森 瞳

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