朝のドラマが持つ独特のリズムを語る上で、脚本家・橋田壽賀子の存在を外すことはできない。『おしん』をはじめ数々の名作を紡いだ彼女の手腕は、日常会話の延長にあるセリフの応酬と、誰もが共感できる家族間の摩擦を極限まで研ぎ澄ませた点にあった。
長セリフで登場人物の本音を余すところなく語らせるスタイルは、朝の忙しい時間帯に画面から目を離して家事をしていても耳だけで展開が理解できるという、極めて合理的な機能美を備えていた。感情の起伏を緻密に計算した構成力は、現代のクリエイターたちにとっても色褪せない教科書であり続けている。