芸能人の身長問題は、なぜいつの時代もこれほどまでに人々の好奇心を刺激するのか。そこには、昭和歌謡の時代から現代に至るまでの「男性アイドルの身体性に対する幻想」が深く関わっている。
1980年代、男性アイドルは手の届かない完璧な王子様や、圧倒的な男らしさの象徴でなければならなかった。170cmを超えるか否かは、タレントとしての格付けを左右する重大な境界線だったのである。そのため、制作側もファンも「少し大きめの数字」を暗黙の了解として共有していた。
しかし、SNSや個人検証メディアが発達した現代では、そうした曖昧さは即座に「サバ読み疑惑」として解剖される。近藤真彦という絶対的なアイコンだからこそ、その小さな数字の差異がファンの探究心をくすぐり続け、伝説の一部として語り継がれているのだ。