実のところ、『時生』の映像化は今回が初めてではない。かつてNHKの「ドラマ愛の詩」枠にて『トキオ 父への伝言』のタイトルで連続ドラマ化され、大きな話題を呼んだ歴史がある。当時の放送は、原作が持つノスタルジックな昭和の情景と、家族の絆というテーマを丁寧に見事に映像化し、多くの視聴者の心に深い記憶を刻んだ。
原作小説は、文藝春秋より刊行された当初から東野作品の中でも屈指の名作として語り継がれてきた。ドラマ版の感動を知る世代からは、「令和の最新映像技術でもう一度あの世界観を見たい」という熱い要望が長年寄せられていた。過去のNHK版が打ち立てた金字塔があるからこそ、今回の映像化の噂はより一層の注目を集めているのだ。