嵐という集合体の結束力が最も純度の高い言葉として結晶化したのが、アニバーサリーごとに発表されてきたナンバーです。なかでも10周年の『5×10』、そして20周年の『5×20』は、メンバー5人が膝を突き合わせ、互いの想いを交歓させながら言葉を編み上げた特別な歴史を持っています。
2009年、結成10周年に作られた『5×10』の制作現場について、メンバーは当時のドキュメンタリー番組や取材でその生々しいプロセスを明かしています。松本潤を中心に各メンバーへ「今、嵐として伝えたい想い」のアンケートが配られ、提出された膨大なメモやフレーズの断片を、櫻井翔が構成作家のように整理・推敲してひとつのリリックへと昇華させました。サビに配置された「本気で泣いて 本気で笑って」というフレーズは、決して順風満帆ではなかったJr.時代からの泥臭い歩みを肯定する、偽らざる5人の実像でした。
そして10年の時を経て2018年、活動休止発表を目前に控えるなかで制作された『5×20』では、その言葉の重みがさらに深化します。『5×10』のメロディやフレーズを意図的に踏襲しながら、櫻井が書き加えたラップパートには「情けないとこも 悔しいとこも全部」見せ合ってきた20年間の絆と、「僕たちからは沢山の愛を」というファンへの誓いが込められました。
報道各社の関係者や音楽評論家の分析によると、『5×20』の真の凄みは「数字の絶対性」にあります。「5」という数字が1つでも欠ければ成立しないという前提を、過剰な美辞麗句を用いることなく、極めて誠実な語彙選択によって表現しきった点にあります。この楽曲が放つ圧倒的な説得力は、作詞のクレジットに「嵐」の名が刻まれているからこそ生じる、唯一無二の感動といえます。