中継枠が維持される見通しであるにもかかわらず、なぜSNSやネット掲示板で侍ジャパン地上波見られない理由がこれほど取り沙汰されたのでしょうか。その根底には、国際スポーツ界を覆うWBC放映権料高騰の経緯と、民放キー局が直面する財務的な構造問題が存在します。
テレビ局関係者や広告代理店関係者が明かすところによると、WBCの日本国内向け放映権料は、大会を重ねるごとに天文学的な跳ね上がりを見せています。大谷翔平選手やダルビッシュ有選手らMLBスターが集結し、決勝戦で世帯視聴率42.4%(関東地区)という驚異的な数値を記録した2026年大会の成功を受け、権利元であるMLB側の要求額はさらに引き上げられました。一部の報道では、日本向け放映権パッケージの総額は数十億円規模から100億円超へと迫るインフレ水準に達していると指摘されています。
かつてのように「高い視聴率が取れればテレビ局が単独で放映権料を全額負担できる」という時代は終わりました。民放キー局のスポットCM収入が減少傾向にある中、1局単独での巨額リスクテイクはもはや不可能です。その結果、巨額の資金力を持つグローバル資本の動画配信サービスが放映権交渉の主役に躍り出ることとなり、サッカーのアジアカップ等で見られた「地上波中継の消滅」という前例が、野球ファンの間に「WBCも地上波から消えるのではないか」という強い危機感を植え付けたのです。