ファンがもっとも心を痛め、同時にYOSHIKIへの批判が集まる決定的な要因が、Toshlとの不仲の真相とX JAPANの長期にわたる活動休止です。幼稚園時代からの幼馴染であり、数々の試練を共に乗り越えてきた二人の関係性は、バンドの歴史そのものでした。しかし、2018年秋に行われた幕張メッセでの無観客ライブを最後に、二人が同じステージに立つことは途絶えています。
関係各所の証言や音楽業界の取材データを総合すると、対立の根底には音楽的見解の相違を超えた契約・権利関係の深刻な溝が存在します。かつてToshlが自己啓発セミナー・洗脳騒動から脱却した際、YOSHIKIは手を差し伸べてバンドを再結成させました。しかし再結成後、バンドの主導権と各種権利を掌握するYOSHIKI側の運営会社と、ギャランティの支払いや権利関係の透明化を求めたToshl側との間で、埋めがたいビジネス上の軋轢が生じたと報じられています。
かつて特番インタビューでToshlが漏らした「もう過去の自分を切り売りしたくない」というニュアンスの発言や、テレビ番組で「X JAPANのToshl」ではなく「龍玄とし」として活動を続ける姿は、二人の間にある決定的な決裂を物語っています。2026年秋にベーシストのHEATHが急逝した際、YOSHIKIは急遽帰国して追悼の場を設けましたが、そこでもバンドメンバー全員が足並みを揃えて再集結することはありませんでした。
「バンドは家族」と公言しながらも、盟友であるボーカリストと対話を成立させられず、バンドを事実上の機能停止に追い込んでいる現状に対し、かつてのロックファンからは「Toshlを精神的に追い詰めたのではないか」「結局はワンマン支配だったのか」という厳しい視線が注がれています。