なぜ創価学会はこれほど芸能界との結びつきを取り沙汰され、実際に多くの表現者を惹きつけてきたのでしょうか。これには芸能界という業界の特殊性と、創価学会の布教戦略が合致した構造的な理由が存在します。
第1の理由は、「水物」と呼ばれる芸能界特有の極限の精神的不安定さです。実力だけでなく運やタイミング、人間関係に左右され、昨日までのスターが明日には仕事を失う過酷な環境において、強固な精神的支柱を求めるタレントは少なくありません。昭和から平成にかけて、無名の下積みタレントに対して熱心に声をかけ、生活面や精神面で寄り添ったのが学会の先輩芸能人たちでした。孤独な上京生活の中で「絶対的な味方」として機能したコミュニティの存在は、駆け出しの表現者にとって強烈な救いとなったのです。
第2の理由は、学会内に設置された専門組織「芸術部」の強力なネットワークです。昭和期に池田大作名誉会長の主導によって設立された芸術部は、俳優、歌手、お笑い芸人、音楽家、舞踊家など、芸能・芸術に携わる信者たちで構成されています。同じ業界の先輩・後輩が定期的な集会(芸術部員会など)で悩みを共有し、仕事の現場における振る舞いや信仰のあり方を語り合う場が存在することは、芸能界を生き抜く上での実践的な互助組織として機能しました。
第3の理由は、学会員が持つ圧倒的な「ファンダム」的動員力です。信仰を同じくするタレントが出演する舞台のチケットを買い支え、出演番組を視聴し、CDや著作を購入するという学会員同士の草の根の連帯は、芸能ビジネスにおいて極めて魅力的な購買層となります。興行主やプロデューサー側にとっても、「彼女・彼を起用すれば一定の固定客が確実に見込める」という計算が働く時代が長く続いたことは否定できない事実です。