Q1:2011年に八百長で処分された力士たちは、その後相撲界に復帰できたのですか?
A1:原則として相撲界への復帰は認められていません。引退勧告や解雇処分を受けた力士の多くは角界を去り、飲食店の経営や一般企業への就職、格闘技への転向など別の道を歩みました。なお、処分を不服として裁判を起こした蒼国来(中国出身)のように、長い法廷闘争の末に八百長関与が認められず、現役復帰を果たして引退後に親方(荒汐親方)を襲名した極めて稀な勝訴例も存在します。
Q2:八百長を持ちかけられた力士が、それを断ることはできなかったのですか?
A2:非常に困難な環境でした。当時の角界では、星のやり取りに応じない力士は「ガチンコ野郎」として敬遠され、立ち合いで故意に喉元や顔面を狙われるなど、土俵上で報復的な制裁を受けるケースがあったと元力士たちが証言しています。強固な精神力と圧倒的な実力を持ったごく一部の力士以外は、共同体の空気に抗うことが極めて難しい力学が存在していました。
Q3:なぜ警察は2011年まで八百長を取り締まることができなかったのですか?
A3:日本の刑法において、公営競技(競馬や競輪など)の八百長は特別法で処罰されますが、興行である大相撲の勝敗操作そのものを直接取り締まる法律が存在しなかったためです。2011年の事件も、あくまで「暴力団員が関与した野球賭博という賭博開帳図利罪の捜査過程」で押収されたメールから偶然発覚したものであり、警察が八百長そのものを主目的として強制捜査に入ったわけではありませんでした。