二人の交際が報じられたのは2013年のことだ。当時、新井浩文は日本映画界に欠かせない「怪優」としての地位を確立していた。狂気と哀愁を同居させる演技力は、若手俳優の中でも群を抜いていた。一方の二階堂ふみは、映画『ヒミズ』でベネチア国際映画祭の新人賞を獲得し、若き天才として脚光を浴びていた時期である。
年齢差を超えた二人の結びつきは、単なる芸能スキャンダルではなかった。表現者としての魂の共鳴。当時の映画関係者は彼らをそう評した。互いに妥協を許さない演技への姿勢が、私生活でも互いを刺激し合っていたのは間違いない。彼らが共に過ごした時間は、邦画が最も尖っていた時代の象徴でもあった。