西野七瀬が確立したもう一つのキャラクターが、乃木坂46在籍時に見せた「儚げで守ってあげたくなるエース」というパブリックイメージです。初期の彼女は極度の人見知りで、記者会見や番組収録中にプレッシャーから涙を流してしまう場面も少なくありませんでした。
昭和から平成前期の王道アイドルに見られた「元気いっぱいで完璧なヒロイン像」とは対照的に、西野七瀬は自身の繊細さや脆さを隠さず、ありのままの感情をファンの前に提示しました。この姿がファンの間に「自分が支えてあげなければならない」という強烈な庇護欲(守護欲)を喚起させ、グループ史上最多となる通算7回のシングル表題曲センターを務める原動力となったのです。
しかし、彼女の魅力は単なる「弱さ」にとどまりませんでした。大の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のファンであることを公言し、ライブやグラビアで難易度の高い「ジョジョ立ち」を披露するマニアックな一面や、絵を描くことへの強いこだわり、内に秘めた勝負強さというギャップが存在していました。この「儚さとコアな芯の強さの同居」こそが、西野七瀬というタレントを象徴する初期キャラクターの本質でした。