2人の物語が本格的に動き出したのは1995年のことでした。当時、音楽界で独自の詞世界と卓越したドラム演奏、そして圧倒的な美貌でカリスマ的人気を博していた森高千里と、『ひとつ屋根の下』などで国民的スター俳優の座を確立していた江口洋介。直接のファーストコンタクトは、森高千里がパーソナリティを務めていたラジオ番組への江口洋介のゲスト出演でした。
もともと江口は森高の音楽性やクリエイティビティを高く評価する大ファンであり、番組収録の現場は初対面とは思えないほど意気投合。音楽談議で大いに盛り上がったと当時の番組スタッフは証言しています。しかし、この時点ではまだ決定的な交際関係には至っていませんでした。
2人の距離を一気に縮める決定的なきっかけとなったのが、同じく1995年10月に開催された、泉谷しげる主宰の阪神・淡路大震災救援チャリティーライブ「日本を救え」でのステージ共演です。
ロックギタリストとしての顔を持つ江口洋介と、マルチプレイヤーとしてドラムスティックを握った森高千里。同じステージで音をぶつけ合い、熱気あふれるライブハウスの現場を共有したことで、表現者同士のリスペクトが急速に恋愛感情へと昇華していきました。現場関係者の間でも「バックステージで談笑する2人の空気感は、すでに誰にも踏み込めない特別なオーラを放っていた」と語り継がれています。
交際が公になったのは翌1996年2月。写真週刊誌が江口の自宅マンションに出入りする森高の姿をキャッチした直後、江口洋介が見せた行動は昭和・平成の芸能史に残る伝説となりました。熱愛報道から逃げることなく、すぐさま単独で緊急記者会見を開き、マイクを前にしてきっぱりと言い放ったのです。
「彼女のことが好きです。とても大事に思っています」
曖昧な言葉でお茶を濁す芸能人が多かった時代に、カメラの砲列の前で堂々と交際を宣言した江口の潔さは、世間の女性だけでなく森高千里のファンからも大きな称賛を浴びることとなりました。