永田町の現場で麻生氏と日常的に接している記者や議員秘書たちは、彼の現状をどのように見ているのでしょうか。現場の生の声を取材すると、ネット上の評判と実際の姿との間にある巨大なギャップが浮き彫りになります。
自民党の中堅議員は、オフレコを条件に次のように語ります。
「本会議場やテレビカメラの前ではわざとぶっきらぼうに振る舞っていますが、党の非公開会議での頭の回転は恐ろしいほど速い。40年前の法改正の経緯や、当時の大蔵省主計局長が誰だったかといった固有名詞が、一切のメモなしですらすら出てきます。数字に対する記憶力も尋常ではなく、予算案の細かな項目の矛盾を即座に突いて官僚を震え上がらせることもしばしばです」
また、長年番記者を務める大手紙政治部デスクも同様の見解を示します。
「ネット上では失言ばかりが取り沙汰され、認知症だの引退だのと騒がれますが、現場の番記者の間で麻生さんの判断能力を疑う声は皆無です。むしろ、相手の心理を見抜く眼力や、政局の潮目を読む直感力は全く衰えていません。疲労が蓄積した際に声がかすれたり、言い直しが増えることはありますが、それは激務をこなす高齢者であれば誰にでも起こり得る生理現象の範囲内です」
麻生太郎氏に対するネットの評判は、切り抜き動画やアンチコメントによって「耄碌(もうろく)した政治家」という虚像が作られがちです。しかし、対面で言葉を交わす現場の関係者ほど、その圧倒的な気力とクリアな思考回路に圧倒されているのが厳然たる事実です。