平野歩夢選手の強さを支えているのは、単なる小柄さではなく、研ぎ澄まされた鋼のような筋肉です。テレビ特番の密着取材や自著、公開されたトレーニング映像で見せる上半身は、無駄な贅肉が一切排除され、細密な彫刻のように浮き出た腹筋と広背筋が目を引きます。
スノーボードの着地時には、体重の十数倍におよぶ強烈な衝撃が全身の関節と筋肉に襲いかかります。軽量なフレームでありながらその衝撃に耐え、スケートボードのコンクリートパークでも激しいスラム(転倒)から身を守るため、平野選手は徹底したフィジカルトレーニングを積み重ねてきました。
ウェイトトレーニングで過剰に肥大化させるのではなく、バランスボールやスラックライン、自重を用いたアジリティトレーニングを反復し、インナーマッスル(深層筋)と神経系を極限まで連動させています。本人が過去のメディア取材で「妥協したら命を落とす世界」と語った通り、極限の緊張感の中で培われた肉体は、体脂肪率5〜8%を維持しながらも強靭なしなやかさを宿しています。