では、現代の博多でリアルに交わされている言葉とはどのようなものか。地元住民が日常的に愛用する主要な表現を一覧として整理した。観光用の看板やドラマのセリフでは滅多に見かけない、暮らしに根ざした生々しい語彙群である。
筆頭に挙がるのは「くらす(殴る・叱る)」や「なおす(片付ける)」だ。「その荷物、そこになおしといて」と言われて戸惑う他県出身者は多いが、これは修理ではなく収納を意味する。また、「とちぐるう(狼狽する・パニックになる)」や「からう(背負う)」なども日常会話の定番だ。感情の強弱を表す「バリ(すごく)」や「ギャン(非常に)」も、世代を超えて多用される。一見シンプルに見える単語の裏に、地域独特の生活の歴史が息づいている。