あべのハルカスの近代的な光景から目と鼻の先、JR天王寺駅の北側に広がる通称「裏天王寺」には、昭和の熱気がそのまま残されている。狭い路地に赤提灯が灯り、威勢の良い掛け声が響き渡るこのエリアの主役は、活気あふれる大衆居酒屋だ。安くて美味いのは当たり前、店主や隣の客との距離の近さが、大阪らしい温かい空気感を作り出している。
そして天王寺を語る上で絶対に外せないのが、揚げたての串カツだ。きめ細やかな衣に包まれた牛カツや旬の野菜は、サクッとした軽やかな食感とともに素材の旨味が口いっぱいに広がる。秘伝のソースに軽く潜らせ、冷えた生ビールで流し込む瞬間はまさに至福。近年はワインと合わせる創作系串揚げの店舗も増え、伝統を守りつつも進化を続ける食文化の深さを提示している。