サウナがもたらす覚醒作用の根幹にあるのが、熱気と冷水を交互に浴びる温冷交代浴だ。このメカニズムは感覚的な快感だけではなく、科学的アプローチによっても解明が進んでいる。公益社団法人日本サウナ・スパ協会が推奨する安全な入浴法をはじめ、近年では日本サウナ学会などを中心に、自律神経のスイッチングや血流量の劇的な変化が脳疲労に与える好影響が論理的に語られるようになった。
熱いサウナ室で血管を拡張させ、キンと冷えた水風呂で一気に収縮させる。その後の休憩で副交感神経が優位に立った瞬間、脳内に訪れる深い静寂――いわゆる“ととのう”感覚は、過密な情報社会に晒された現代人にとって最高のリセットボタンとなる。新橋の各施設が水風呂の温度管理や水流の滑らかさに異常なまでの情熱を注ぐのも、この温冷交代浴の精度が体験価値を大きく左右するからに他ならない。